神経発達症をもつ人とともに 設立者 篠山 淳子(ささやま あつこ)
25年前、当時学級崩壊が多くあり、その原因は多動症のこどものせいだと言われ、悩んで私に相談に来ていたお母さん方と、中華街のお店に集まりました。みな初対面でしたが、それぞれの想いを話し流す涙は、責められていることの辛さの涙ではなく、説明しなくてもお互いに分かり合えるという、安堵の涙でした。
2001 年 5 月、ADHD をドイツ語読みし、「あではで神奈川」という会を作りました。子供たちの人生が あでやかにはでやかにとの祈りを込めて。 そのうち子供やたちの診断名も LD、アスペルガー、広汎性発達障害などと、変化していき、今では、発達障害全般の子ども、その親、成人の本人たちの会になりました。
会が出来た頃の夢は、神経発達症がみんなに知られ、一 つの民族のように市民権を持つことでした。たくさん の専門家や、親たちの忍耐、努力を経て、最初の夢の実現の兆しが見えてきました。 新たな夢は、神経発達症のまま幸せに生きるということ。
「あではで」は、会員同士が会って話し合うことを大事にしています。自分自身の人生を語り、自分や子どもの持つ特性を理解し、 その特性を持って生きることを受け入れ、自分らしい 生き方を見つけるということです。
神経発達症は病気ではなく、生まれた時から持って いる一人一人の大事な個性です。治すものでなく、それが障害になるとも限りません。神経発達症と言われる人たちは得意なことと不得意なことの差が大きい場合が多く、苦手なことにばかり注目されがちですが、実は得意なことの能力が非常に高いことがあります。人と同じになる努力ではなく、自分に与えられた能力を 生かす努力をすることで、特性はギフトになるのです。社会では特性を生かして重要な役割を担っている人がたくさんいます。
求められる間は、この会が続くことを願っています。